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戦士の遺伝子

ある人が怒りのコントロールがうまく出来ないタイプである場合、それは人としてまだ未熟であるからではなく、「戦士の遺伝子」を受け継いでしまった結果、脳内で怒りのコントロールをする領野が健常者よりも小さくなっており、セロトニンが大量に放出されても関係領野が反応しなくなっているからかもしれない。

カリフォルニア大学アーヴァイン校教授ジェームス・ファロン著「サイコパス・インサイド」(金剛出版)によれば、MAO(モノアミン酸化酵素)-Aはセロトニンの分解酵素だ。この酵素を産生するMAO-Aプロモーター(遺伝子産物を産生する能力を調節する遺伝子部分)には、短形型と長形型とがある。短形型は攻撃的行動と関係し、「戦士の遺伝子」と呼ばれている。戦士の遺伝子はMAO-Aの産生を低下させ、セロトニンを含むモノアミンの過剰をもたらす。胎児の脳の発達過程で、セロトニンは発達する神経伝達物質の中でもっとも早期に出現するものの一つだ。このため、もし胎児が戦士の遺伝子を受け継いでいると、この胎児の脳はセロトニン等のモノアミンが正常な量を超えてあふれることになる。脳を含む身体の反応はこの化学物質の作用を軽減させようとする。この神経伝達物質に対する受容体数が減少し、洪水の影響を受けている脳の大きさや細胞構造やその結合にも変化が生じる。これらの脳領野は出生後も、成人してからも発達しないままである。大量のセロトニンが放出されても(たとえば怒りを誘発するような出来事)、脳は聞く耳を持たなくなっている。アメリカ国立衛生研究所のアンドレアス・マイヤー-リンデンバーグらによると、男性において戦士の遺伝子は扁桃体、前帯状皮質、眼窩皮質の容積を8%減少させていた、という。

2015年8月の世界陸上選手権(北京)で日本はメダル1、入賞2という結果になった。しかし、これを惨敗と非難するのは見当違いだ。短距離走等の能力は、生まれつきの速筋・遅筋の比率によって実際にはほぼ決まってしまう。格闘技のほとんどが選手の重量によって級を分けているように、短距離走等も本来であれば速筋・遅筋の比率によって級分けをすべきものだ。それをしないままなら結果は始めから決まっている。これとやや似て、怒りのコントロールについても、精神の成熟度の問題ではなく、生まれつき、扁桃体の興奮を、セロトニンが抑えることが困難になっている人が存在する。織田信長にも戦士の遺伝子が受け継がれていたのではないかと想像してしまう。

テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

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